地域に根ざしながらクリエイティブな仕事を生み出している起業家やフリーランサーをゲストにお招きして、「働きかた」を掘り下げる不定期イベント『WORKS LIBRARY』。
第1弾のゲストは朝来市出身のデザイナー・木村淳さん。
大阪芸術大学デザイン学科卒業後、芦屋市のデザイン会社に就職。
独立後は朝来と三田の二拠点ワークスタイルで、朝来市のプロモーションツール制作(『ASAGOiNG』等)をはじめ、デザインの力で地域の魅力を伝える仕事に取り組まれています。
個展
2017.12.2(sat)-17(sun)
約2週間にわたり、パンフレットやDM等の印刷物や食品・飲料ボトルのパッケージ実物、ポスターパネルなど作品約40点を展示。
初日をはじめ在廊日も設けていただきました。
特に反響が大きかったのは、正面に掲出された4枚の「花」のポスター。
クライアントは丹波市観光協会。
四季の花を紹介する独立したポスターでありながら、なんと4枚1組で貼るとひとつの花の輪に!
練り上げられたコンセプトと細やかな技に、来場者は感心しきりでした。
トークセッション
2017.12.16(sat) 13:00-17:00
県内8自治体から約20名が参加。
山口がMCとなり、展示作品のほか過去のお仕事やライフスタイルについても語っていただきました。
MC山口が選ぶ
印象に残ったお話
三つ子の魂百まで?すでに才能が開花していた少年時代
物心ついた頃から恐竜が大好きで毎日のように模写。また小学生のとき、完成度の高すぎる恐竜模型をつくり先生を驚かせたのだとか。実家に残っていればプレミアものですね。
「文字が読みづらい」も想定内。(生野ルートダルジャン映画祭ポスター)
「生野銀山」にちなみ、ポスター全体をシルバーのインクで印刷。ターゲットはアートイベントに関心のある感度の高い若者だったため、「文字が読みづらい」という声を想定しつつも思い切った手法を選択したのだそうです。
起業は運も必要?独立直後のエピソード
神戸の若手デザイナーのポスター展「KOBE DESIGN AIRPORT」でポスターを発表。
会場の神戸空港を偶然訪れていた前職の社長がクレジットに木村さんの名前を見つけ、地域に関わるデザインの仕事を紹介してもらえるようになったそうです。
「目標にしていたので嬉しかったです。」(日本パッケージデザイン大賞2015入選)
独立してから手掛けられた仕事が念願の入選。モチベーションの一つとしてチャレンジしてこられたそうです。(年鑑 日本のパッケージデザイン2015収録)
朝来市における初仕事。(旧木村酒造場EN サインシステム開発)
国登録有形文化財「旧木村酒造場」をリノベーションした複合型ホテル「EN」。施設内の案内標識(サインシステム)は木村さんが手掛けられています。
故郷・朝来市での初めてのデザイン案件。朝来市のプロモーションとの関わりが生まれるきっかけとなった思い入れある仕事だそうです。
ちなみに木村酒造との血縁はないとのこと。
「マネできるものならどうぞ」(ASAGOiNG CAFE)
朝来市のPRブースを空間設計からウェアまでトータルプロデュース。東京までの梱包発送のサイズまで緻密に計算して製作されたいへんな労力が掛かったそうです。
その甲斐あって、複数の自治体関係者から「うちでもマネしても良いですか?」と大反響。「マネできるものならどうぞ」と内心思ったそうです(笑)
ほかにも興味深いお話がたくさんありましたが、紙幅の都合上(?)これぐらいで。
地域のデザインの仕事は「住民の方からダイレクトな反応がもらえることが面白い」と目を輝かせる木村さん。
今後のさらなるご活躍に期待です!
木村 淳 | Jun Kimura
アートディレクター/デザイナー
1983年兵庫県生まれ。
2006年大阪芸術大学デザイン学科卒業。株式会社TCD入社。
メーカーのパッケージデザイン開発やブランディングに携わったのち、地域のデザイン支援に方向転換。地域ブランド再生、地場産業におけるデザインパートを多く手がける。